いろいろな乾燥方法 葉枯らし乾燥編
木材を切り倒した後、枝や葉がついたままの状態で森林に3ヶ月以上放置し、葉から水分が抜けていくことで乾燥させる方法です。
●運送経費の削減
皮むき乾燥と同様に、森の中である程度自然に乾燥するため、乾燥コストが削減できると同時に、木材が軽くなることによる運送経費の削減にもつながります。
●木材の品質
木材の「反り」や「狂い」が少なくなり、フェノール成分が作られることで、カビや腐朽に強くなるという利点もあると言われています。
国産木材に求められる乾燥品質
強度を必要とする構造材では、芯持ち材(木の中心を含むように製材した材)が使われます。
芯持ち材は中心の「芯」の部分が乾燥しにくく、木材の表面側との間で、収縮する寸法の差が大きくなり、表面割れ(干割れ)が発生します。
この「表面割れ」は見た目の悪さからクレームになりやすいため、この表面割れをなくすために、木材の表面を引っ張った状態で高温で乾燥させて、表面割れを起きにくくした「高温セット」が行われるようになりました。しかし、このように高温セットがされた状態で高温で乾燥を続けると、外側からは見えない「内部割れ」が起きることがあります。
自然な状態で乾かすことによる「表面割れ」は、強度には影響がなく、むしろ表面割れを起こす木材は、木材の収縮率が大きくなるため、強度が高い材とも言われています。
表面割れを抑えるために、一般的には「背割り」を入れます。背割りとは、柱の面から中心の芯まで鋸を入れることで、他の面で割れを生じにくくする技術です。主に背割りを入れた面は、壁に隠れる側に使用します。この背割りも表面割れと同様に、強度には問題ありません。
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