木造建築の耐震について所感 ~阪神・淡路大震災での経験から~
阪神・淡路大震災では「木造は地震に弱い」と随分報道されました。
その報道を見た私達は「そんなことは絶対無い!」と思ったため、仲間数人で救援物資を満載にしたワゴン車に乗り込み、被害地をくまなく見て回りました。震災発生から10日ほど経った時のことです。
見回りでは大変な思いもしましたが、倒壊した建物から以下のようなことが分かりました。
倒壊した建物のうち、コンクリ・鉄骨・木造の比率をみると、確かに木造(特に古い建物等含め)建物が圧倒的に多かった。
しかし、コンクリート造・鉄筋造・木造であれ、建物構造に関わらず、1階の平面プランの壁量不足やアンバランスな建物のほとんどは倒壊、または大きな被害を出しており、多くの人達がここで圧死してしまった。
一階壁量不足に因る倒壊の事例
確かに被害甚大な地震でしたが、倒壊した建物は1階部分が不安定に建てられたものや手抜き工事、都合の悪い建物など、本来ならこれほど大きな被害にならなくても済むはずの建物が沢山あったのです。
この事実を抜きにして「木造が地震に弱い」という報道は正しいとは言えません。
被害のうちの半分近くは人災であったと言っても過言ではありませんでした。
私たち河合工務店は家づくりのプロとして、少なくとも1階で圧死するような建物は造ってはならないと、そしてお施主様にも開口部だけ大きく要求されてもNOと言える勇気を持つ事が大切であるとつくづく思い、日々安全な家づくりに励んでおります。
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